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現在名古屋大学文学部社会学科3年生で、コペンハーゲン大学に留学中です。

僕自身の進路と名古屋大学文学部社会学専攻の魅力について

読者の方へ

ふみひろです。早速ブログを投稿したいと思います。

僕は現在名古屋大学文学部社会学科というところに所属しています。皆さんには、この記事で

1.僕が進路に関していかにいい加減な選択をしてきた、いい加減な人間であるかということ。

2.けどその選択は間違ってなかった、むしろいい選択だったという点。

3.名古屋大学文学部社会学専攻の魅力。

について知ってもらいたいと思います。

 

僕は中学の時から、大学では留学をしたいと思っていました。単純に海外で生活してみたい、日本を飛び出して自由になりたいと思っていました。

 

そして高校では、大学の進路選択の際も留学のことを考えます。最初、神戸大学を僕は志望していました。神戸大学には、国際関係学部というのがあり、留学プログラムもしっかりしてそうだったことも大きかったです。

しかし、それなら他の国際系の学部がある大学でもいいじゃないか。

その通りです!僕が神戸大学に行きたかった真の理由は、、、

 

「兵庫には甲子園があるから」

 

です。僕は大の野球ファンで、阪神ファンです。父が兵庫出身で阪神ファンなので、その影響を受けました。そして、球場に通いまくるのが夢でした。現在留学中ですが、留学に行く前も何を懸念していたかというと、「野球見れんくなるやん」です。

さらに、神戸という港町には、異人館があり、外国の文化も入ってきて、おしゃれだな、とずっとあこがれてました。

こうして学業面での動機と不純な動機を持ちながら、神戸大学に行きたいと思っていました。

 

しかし、大学2年の終わり頃、親は気づいてしまいます。

 

神戸大学って、地元の名古屋大学と偏差値変わらんやん」

僕はその事実を頑張って隠そうとしてましたが、バレました笑

名古屋大学には、外国語系の学部がないから、と反論を試みましたが、「旧帝大だからある程度整ってるじゃん」とパンフレットを見せながら反論されました。

奨学金を借りれば神戸大学を目指すこともできたと思うし、一人暮らしもしてみたかったのですが、その頃はあまり深く考えず、「まあ近くでいっか、甲子園は行きたいときに行けば」と思ったのと、高校が愛知県にある公立校であったため、名古屋大の対策に重点を置いていることもあり、名古屋大を目指し、名古屋大学に入学することができました。

今考えると、なかなか間違った選択ではなかったと思います。あまり後悔もありません。授業料も安いですし、下宿代もかからないので、親への負担が少ないです。今では最高の親孝行であったと勝手に自負しています。さらに、今の大学のプログラムに満足していますし、同じ学科の仲間も大好きです。この点はまた後で詳しく書きます。

 

名古屋大学では、文学部を選びました。「国際系の学部はないし、経済学部は数学使いそうだから嫌だし、法律とかももしやりたかったら自分で勝手に勉強すればいいや。」そんな感じの消去法で、全く深く考えていませんでした。

文学部は、2018年現在では20個以上の専攻があります。そのころ僕は新聞記者になりたいと思っていたので、社会学という分野に興味を持ちました。なので、専攻を決めることには困りませんでした。

しかし、うちの学部では、このような噂が流れていました。

 

社会学はブラックだからやめとけ」

 

これは、僕が「何専攻するの?」と聞かれて、「社会学」と答えるたびに言われました。ただ、この点に関しては、そうでもないと思います。少しやることは多いかもしれません。しかし、教授からアカデミックハラスメントを受けたりとかはないですし、僕は留学の準備、留学費用を稼ぐためのバイト、部活と社会学を両立できましたし、そこまで深く考える必要はないと思います。

 

ブラックブラックと同級生、上級生が宣伝しまくった結果、それまで学部の中でも随一の人気を誇っていましたが、社会学専攻に入ってきたメンバーは、同学年では6人のみでした。

こうして不安の中入った社会学専攻ですが、これは僕にとってかなり大きな人生の転機でした。大学入る前は、勉強なんか嫌いだし、これから使いもしないことをやって何になるんだという偏見で凝り固まっていた僕でしたが、勉強が好きになりました。今までなんで大して本を読んでこなかったのか、自分の意見を考え、発信してこなかったのか。かなり反省しています。どんどん新しいことが見えてきて、どんどん知りたい、そして発信したいと思うようになっていきました。

話を戻しますね。まず、2年生で社会学科に入る前の春休みの間に、本を2冊読んで、感想を書けという課題が出されました。本は文献リストが渡され、その中から選んだのですが、僕はマックスヴェーバーの「プロテスタンティズムと資本主義の精神」(プロ倫)とマルクスエンゲルスの「共産党宣言」を選びました。社会学について何も知らなかった僕は、前者は単純にタイトルが長くて気になったから、後者は本が薄っぺらくて一瞬で読めそうだったから、という理由で選びました。このプロ倫との出会いのおかげで、一気に本を読むのにはまった気がします。何が変わったかというと、僕の中での常識が、常識じゃなくなって行ったのです。プロ倫については、また今後書きたいと思います。

 

というわけで、社会学専攻の生活がスタートしました。ここからは名古屋大学社会学専攻の魅力を伝えていければと思います。基本的に2年生の主なタスクは、「調査実習」と「ゼミ」です。調査実習では、僕たちは「ワークライフバランス」というテーマで行いました。名古屋市の企業に、仕事と家庭の両立を目指すために、実際に女性社員に対して行っている取り組みをインタビュー調査で調べ、さらに名古屋市の子育て事情を調べるために、名古屋市が発行したアンケート調査を統計ソフトを使って分析するということを行いました。ゼミでは、各教授によって課題文献が設定され、それを読んできてディスカッションするのと、自分で研究テーマを決めて、構想を発表するというのが主なタスクです。

「調査実習」と「ゼミ」を通して、かなり成長できたと思います。細かい内容については、また後でブログに掲載したいと思いますが、具体的に何を成長できたかを書きたいと思います。

「調査実習」では、インタビューの場合、インタビュー項目や対象企業の情報、日本の社会状況などを把握し、どのような情報を聞き出せるかを下準備します。そこで情報を整理し、予測する力がつきます。そして、実際にインタビューを行い、人事部の方とお話をします。度胸がつきます。そこでは、あらかじめ準備した項目のみならず、相手とのやり取りを通す中で「こんなことを聞いたら面白いのでは」と自分で考えていきます。そして、それをレコードし、後で聞き返して、ほかの企業とすり合わせながら分析していきます。そして、適切な形で、分かりやすいように報告書に収めていきます。データ分析の場合、まず本などの情報をもとに仮説を立てます。そして実際に分析して結果を出します。結果が自分の思うようにいかなかったら、また根本から考え直し、再チャレンジします。そして、毎週のように自分の研究報告をプレゼンし、ダメだしを受けながら改善していきます。こうして分析を続け、見やすい形で報告書に収めていきます。これらの内容はチームで行うことも多く、協力していくことが大切になってきます。

「ゼミ」のディスカッションでは、自分でロジックを組み立て、意見を発信する力が付きます。そして、個人研究では、自分が何をしたいのかをまずはっきりさせます。そして、文献を読み、多くの考えを取り入れます。そこで、「こういうことが分かるのではないか」と仮説を立て、どのように調査できるか、計画を立てます。そして卒論前になれば、実際に足を運んで、調査を行い、分析し、仮説を再考します。

こう長々と書きましたが、何が一番身についたかというと、

主体性

であると思います。指示はある程度は与えられますが、自分で考え、計画し、行動する、というスキルが確実に身につくのです。

大学の授業は講義形式が多いですが、そこではこの「主体性」は学べません。僕はこの学科だからこそ成長できた部分であると思っています。

つまり、名古屋大学社会学研究室では、自分を磨く、ということが可能なのです。

 

そして大学3年生では、ゼミを2つ選択し、より自分の知見を深めていきます。

大学4年生では、就活と並行して、卒業論文の執筆にあたります。いわば調査実習で行ってきたことを、全部1人で行います。大学の集大成にふさわしいイベントです。

 

名古屋大学社会学科、どうでしょうか。高校までの勉強は「与えられたもの」をこなせばよかったのですが、名古屋大学社会学研究室では異なります。常に自分の「主体性」が可能性を広げていくのです。

そして、この中には人が成長するためのすべてのスキルが凝縮されている気がします。

 

よく「社会学って何やるの?」と言われますが、それは人によって答えが変わります。自分の価値観、正義感に従って、やりたいことができるのです。僕だったら、今は「転職」です。何だか人生の目的を探すことにもつながっている気がします。

この記事が進路で迷っている学生の少しでも役に立てればと思います。

 

それではまた。

ふみひろ